奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。紙の本も出しました。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今 語れること

鬱病となって ようやく 自分がどれだけ 愚かな生き方をしてきたのか 気付くことができた わずかな時給を得るために 望みもしない職業を選択し 仕事にも人にも適応できず さまざまな職場を転々とした そのあげく 「捨てる神あれば拾う神もある」と 感謝すらし…

抗えども

これは いったい いかなる試練か どこまでも続く 逃れられない呪縛 この体を この心を がんじがらめにして 精神を崩壊させようと 企むものの仕業のように まんまと罠に嵌った私を どこかであざ笑う声が聞こえる ずぶずぶと泥の中に引きずり込み 陰湿な笑みを…

愛・絆

愛とか 絆とか ぜんぶ作り事のように テレビ画面の向こうで 体温も 感触もなく ただ 視野を横切っていく 愛とか 絆とか ぜんぶ嘘臭くて 独りきりの部屋で この乾いた心は ちりちりと苛立つ 人の善を 信じられなくなった 人の善に 期待できなくなった それを…

旅の途中

遠回りして また ここへ 戻ってきた 心変わりではなく 旅だったんだ 人は同じ場所で 立ち止まってはいられないだろう 旅の途中で 私はいくつの新しい 出会いをしたのだろう さまざまな価値観や 数々のぶつかり合いや 落ち込み 立ち止まった時も 新しい傷が …

家族を愛するということ

人の温もりが愛ならば 私は誰の温もりを感じて 生きてきただろう 人の優しさが愛ならば 私は誰に優しくしながら 生きてこれただろう 当たり前のように そこに存在している 家族というもの 私の居場所 愛されている自覚もなく 愛しているかと自問もせず ただ …

潜在する病巣

どんなに傷付けられても 人を傷付けない どんなに踏みにじられても 自分自身を貶めない それだけを誇りに 自尊心を保ってきた 底辺で生きる人間は どんなに望んでも 這い上がることはできない 登りつめる人間は どんな手段を使おうと 罰せられもしない それ…

もしも風が吹かなければ

もしも風が吹かなければ 今日のこの悲しみを消し去るすべを ひとつ失うことになるだろう もしも風が吹かなければ 澱んだこの世界を浄化するすべが ひとつ失われることになるだろう 時に優しく 時に荒々しく すべてのものを撫でてゆく どこから生まれ いずこ…